歯科の２大疾患であります、虫歯と歯周病は、風邪をひくのと同じく、細菌による感染症と同じであります。違いは、原因菌とターゲットの違いです。虫歯は、その名の通り、歯そのものがダメになる病気です。歯周病は、歯を支えている、骨がダメになる病気です。どちらも重症になると、抜歯になります。しかし、歯医者にとってコントロールし辛いのは、骨なのです。虫歯は、虫歯の部分を削ったり、神経を取ったりして、詰めたり、被せたりして、歯の保存を図ることができますが、歯周病は、変化し続ける骨が相手なので、難しくなります。歯周病で失った骨を元に戻すのはかなり難しく、どんなに一生懸命磨いても、骨が増え、回復する事はほとんどないのです。だから歯周病治療の殆どは、予防的に進めることが大切で、病気が進行しないように、現在残っている骨を大切に使っていくことが重要になっております。
下の例は、保険治療内での歯科治療で、１０年ほど前に施した例です。当時の全実力を投じて、歯をできるだけ抜かず、噛み合わせを復元した治療例です。ここまでの回復は、患者様の協力がないと実現できないことでもあり、どの患者様にも望める治療結果ではありませんので、参考程度にして頂ければ幸いです。

予防歯科につきましては、虫歯と歯周病の原因菌が沢山宿っています、プラーク（歯垢つまり、磨き残し）とそのプラークを歯に強固に付着させた、歯石を除去することに主眼を置いております。この治療は患者様と一緒に行う、共同治療でもあります。磨き残しが無いように、ブラッシングだけではなく、フロス（糸楊枝）、歯間ブラシ、ワンタフトブラシなどの使用や、高濃度のフッ素入りの洗口剤の使用を促しています。
下の一例は、個人差がありますが、クリーニングを行った症例です。御参考までに。